AMDは9日、秋葉原のツクモeXにおいて、AMDのATIブランドとしては初の単体GPU製品であるRadeon HD 2000シリーズをアピールする店頭デモを実施した。店頭では多くの人が足を止める姿が見られ、同シリーズの注目度の高さが伺えた。

秋葉原のツクモeXの店頭に設置された特設ブース

ATI Radeon HD 2900 XT

高いレンダリング技術によるリアルな唇

Radeon HD 2000は、Radeon X1000シリーズの後継にあたり、デスクトップ向けは5製品「ATI Radeon HD 2400 XT」「ATI Radeon HD 2400 PRO」「ATI Radeon HD 2600 XT」「ATI Radeon HD 2600 PRO」「ATI Radeon HD 2900 XT」。ほかにモバイル向けもある。2400はローエンド向け省電力のバリューモデル、2600はミドルレンジ向けのハイパフォーマンスモデル、HD 2900はハイエンドモデル。すべて第2世代とされるユニファイドシェーダーを搭載している。

「Ruby 4: Whiteout」

会場では、ATI Radeon HD 2900 XTをデモ機として、おなじみのRadeonデモ映像「Ruby」シリーズ最新作、「Ruby 4: Whiteout」を使用したプレゼンテーションが行われた。Ruby 4では、1フレーム当たりのポリゴン数が200万を超え、前作の2倍の精度となった。Radeon HD 2000シリーズがユニファイドシェーダアーキテクチャを採用したことにより、表情のアニメーションや素材の質感、鏡面素材への写り込み、背景の描写などのディテールが向上した。光源の設定や影の表現も飛躍的に進化したと説明員は語った。また、雪のテクスチャはリアルタイムシェーダで生成しており、岩山に積もる雪の量を自由にコントロールできるため、雪の積もり具合を調節する場面も見られた。

雪をリアルタイムシェーダで生成しており、量を自由にコントロールできるようになった

テッセレータ

またRadeon HD 2000シリーズは、次世代DirectXでサポートの可能性があるテッセレータユニット(ポリゴン分割専用ユニット)をすでに実装している。従来3Dモデルの作成には膨大なポリゴン数のデータを必要としたが、少ないポリゴン数の簡易モデルを作成しておき、テッセレータで効率良くにポリゴンを分割、頂点を生成することで、クオリティの高い3Dデータを少ない負荷で作成できるという。

そのほか、グラフィックチップ上にサウンドエンジンを搭載している点がある。これにより、従来コンテンツによっては音声を出力できなかった、著作権保護された映像とサウンドをHDMI一本で接続し出力可能となった。1900 XTシリーズとの性能比較のベンチマークも発表され、3DMark06では約160%、3Dmark05では136%のUPとなる旨が説明された。

ATI Radeon HD 2900 XTを搭載しているグラフィックボードを発売しているメーカーはASUS、GECUBE、Gigabyte、HIS、MSI、PowerColor、Sapphire、玄人志向など。ATI Radeon HD 2600 XT/同PRO、ATI Radeon HD 2400 XT/同PROに関しては近日発売予定。

また、デモンストレーションの最後にAMDの兄貴こと土居憲太郎氏が、AMDのクアッドコアCPU「Phenom FX」に対応する次世代プラットフォーム「FASN8(First AMD Silicon Next-gen 8-core platform)」について、近日中のイベントでの実機公開を計画していると発表した。今年のCOMPUTEXで公開されたFASN8は、デュアルソケット構成によりPhenom FXを2基搭載でき、合計で8コアの環境を実現可能としている。

なお16日には、ドスパラ 秋葉原本店にて本日と同じ内容のデモが行われる。開始時間は、13:00~、14:00~、15:00~の3回となっている。

土居憲太郎氏からFASN8について公開予定中

じゃんけん大会も行われた。商品はAMD特製マウスパッドとUSBメモリ