COMPUTEXでは毎年のように目にするようになった、2基のGPUを1枚のカードに搭載したグラフィックスカード。今年はRadeon HD 2600を搭載したカードなどの展示を発見することができた。その巨大さが目立つこともあり、ブースの目玉となているのだが、GPU価格は2基ぶん、そしてオリジナル基板の設計開発費などの要因から、製品価格も跳ね上がる。そのため発売できても数は出せないという、なかなか困ったカードでもある。
MSIが用意するのは「RX2600 Geminium」。2基のRadeon HD 2600 XTを搭載し、コアクロックは800MHz。メモリはDDR3メモリを採用しており、容量は1GB、クロックは1.4GHzとされている。通常のカードの1.5倍近くも高さのあるカードで、2つのGPUからカード背面へとヒートパイプが伸びた冷却デザインが特徴。CrossFire用の2つのエッジ端子も装備しているが、自己完結のCrossFireは可能なものの、RX2600 Geminiumを2枚、計4GPUでのCrossFireは不可能な模様。担当者によれば日本で10枚ほどを販売する予定とのこと。
GeCube(Info-Tek)の「D26XT2-F5」も2基のRadeon HD 2600 XTを搭載した製品。コアクロックは800MHz、メモリは128bit接続のDDR2メモリを1GB搭載し1000MHz駆動。隣接スロット占有サイズだが、冷却ファンはボード中央に1基のみ。高さ・長さも他社製品ほどではなく、一般的なPCケースにも搭載できそうなサイズに収まっている。4面までのディスプレイ出力が可能なほか、Self H/W CrossFireが可能とされる。
HISも「HIS Radeon HD 2600 XT Dual」という製品名でRadeon HD 2600 XTを2基搭載したグラフィックスカードを展示。基板むき出しの状態だったため、レイアウトがよくわかる。前後に2基のGPU。そしてその間にあるPLX Technologyの「PEX8547」がPCI Expressスイッチチップだ。カード内完結でのCrossFireには対応するが、別途CrossFire用のエッジは用意されていない。
Sapphireは、2基のRadeon X1950 PROを搭載したカード「SAPPHIRE X1950 PRO Dual」をデモ中だった。こちらはAMD 690Gマザーボードと合わせて、ディスプレイを4つ用いた4面出力をデモ。ただし、展示カードと実際に動作中のカードでは冷却システムが異なる。ともに高さのあるカードで、展示カードでは2つのファン、動作中のカードでは1つのファンを搭載していた。前世代とはいえハイエンド向けチップであるため、補助電源は6ピン×2系統を搭載する。