CReTE Systemsは軍隊やセキュリティー企業向けの特殊端末、Military PDA「PM9」の展示を行っていた。PM9はOSにWindows CE.NET 5.0を採用した端末で、本体にはGSM/GPRS、Bluetooth/Wi-Fiのインジケーターランプが内蔵されており、内部拡張カードでGSM(850/900/1800/1900MHz/EDGE)、Wi-Fi、Bluetooth 2.0に対応する。
軍用向けでPDAタイプの製品は他社からも発売されているが、標準で携帯電話機能に対応する端末は同製品が世界初だという。CPUはIntel PXA270(624MHz)、ディスプレイは4インチVGA表示でタッチスクリーンに対応している。各種コネクタはUSB×2(1つはホスト機能対応)、RS-232C、PCMCIA TypeII、SDメモリーカード(SDIO対応)と豊富だ。他にデスクトップ用の充電クレードルも用意されている。
サイズは90×150×33mm、420gと大柄。ボディーはマグネシウム合金製でIEC IP65の防塵・防水規格に対応するほか、水深2.5~3mでも防水機能を保てるとのこと。さらに米国国防総省が軍事用品に採用する性能試験の一種であるMIL-STD 810Fにも対応している。背面には保持用のベルトを備えるが、これは落下時などにバッテリーの脱落を防止する意味もあるという。バッテリーは3900mAと大型で、数日間の連続利用に耐えられる。
特徴的なのは前面の無線ON/OFFボタンで、緊急の事態などで携帯電話やWi-Fi機能を即座にOFFにする必要がある時など、画面からのメニュー操作をせずにボタンひとつで操作できる。これらのボタンはグローブなどをしていても押しやすいよう、大型でボタン間隔も広く配置されている。
価格は一般提示されず、受注生産のため顧客のオーダーベースになるという。コンシューマー向けの製品ではなく完全なプロフェッショナル向け、しかも特定市場向けの製品だが、このような、普段なかなかお目にかかれない製品が展示されるのもCOMPUTEX TAIPEIならではであろう。