CRUDサンプルによる実例解説

では、実際に動作するサンプルを用いてGearsのデータベースモジュールについて更に理解を深めよう。

サンプルは、一画面で従業員(と言っても属性はIDと名前だけ)のCRUD(作成、検索、更新、削除)操作を行うことのできるアプリケーションだ。Gearsのデータベースにデータを格納するため、ブラウザは勿論のこと、サーバを再起動してもデータが失われることはない。

従業員管理サンプル。CRUD操作を一通り備えているのがおわかりだろう。

このサンプルはそこそこ分量があるため、ここではGearsに関連したコードを重点的に解説する。先ほどの疑似コードでほとんど解説してしまっているため、以降で解説するのはサンプルの処理に関連した部分のみだ。このサンプルの全文は記事の一番最後に載せておくので、興味がある方は動かしてみるとよい。

テーブルの作成(create table文の使用)

このサンプルは、従業員データの保存を行うために、「employee」というテーブルを一つだけ作成している。以下の部分だ。

// 従業員テーブルの作成
db.execute(
   "create table if not exists employee (" +
   " id integer primary key autoincrement," +
   " name text not null" +
   ")");

create table文をDatabase#executeメソッドの引数として渡している。「if not exists」は、「もしテーブルが存在していなければ」という意味だ。

employeeテーブルのid属性は主キーとなる整数値で、自動インクリメントが行われる。

name属性は文字列を格納する列で、NOT NULL指定によりNULL値を除外する。