このCu-45HPが今回の発表の最大の目玉であるが、これと同時にCMOS 11LPという低電力向けのASICテクノロジと、RFのパワーアンプ関係のSiGe BiCMOSの5PAeと6WLというテクノロジが発表された。
CMOS 11LPも45nmプロセスであるが、Cu-45HPとは異なり、こちらはバルクCMOSでLow Powerの名前が示すように、低電力のアプリケーション向けのテクノロジである。11LPのデザインキットの提供は、今年の終わりという。
SiGe BiCMOSの5PAeと呼ぶテクノロジは、Power Applicationという名前が示すように、5GHz程度までのRF送信機のアンプが主要なターゲットである。このテクノロジの特徴は、シリコンウエハを裏側が透けて見える(30μm程度)まで薄く研磨し、トランジスタを作る表面とその裏側の間にスルーシリコンビアを作っている点である。スルーシリコンビアというと、Intelが発表したように、チップを重ねて3次元実装に使うのかと思っていたのであるが、5PAeテクノロジでは、BiCMOSパワートランジスタのエミッタとグランドの接続を強化する目的でスルーシリコンビアを使っている。
5GHzというような高周波では、バイポーラトランジスタのエミッタとグランドの接続が重要で、チップ表面のグランド層をワイヤーボンドでパッケージのグランドに接続するのでは効率が落ちるという。それを多数のスルーシリコンビアを通して、チップの裏面のメタル層に接続し、それをベタでパッケージのグランドに接続することで、パワーアンプのゲインを改善している。
もう一つのSiGe BiCMOSテクノロジの6WLは、既存の7WLの廉価版という位置づけで、7WLが180nmテクノロジであるのに対して、6WLは250nmという更に1世代古いテクノロジを使い、低価格化を図ったものである。