オランダLely Groupは、放牧している牛たちを自動的にガイドするロボットシステム「Voyager」を発表した。2台のロボットが連携し、牛たちを自動的にガイドする。また、ロボットは搭載しているソーラーパワーシステムのみで稼動する。

牧羊犬ロボットシステム「Voyager」

2台のロボットがBluetoothを通じて連携して動作し、電牧線を使って放牧中の牛たちをガイドする

この「Voyager」は、いわば牧羊犬ロボットシステムである。牧羊犬に代わって2台のロボットがBluetoothを通じて連携して動作し、電牧線を使って放牧中の牛たちをガイドする。専用コントローラ「E-link」上に、1日当たりに与えるべき牛のエサ(牧草)の量を入力すると、ロボットが牛たちの前に電牧線を張り、自動的に移動する。このときロボットは、牛たちがちょうど良いペースでエサを食べるように移動速度を調整し、エサの量を調節する。

専用コントローラ「E-link」から1日当たりに与えるべき牛のエサ(牧草)の量を入力する

Voyagerでは、設置された固定の囲いの中で放牧するのではなく、囲いを移動したり広げたりできるので、牛たちにつねに新鮮な牧草を提供できる。そのほか、電牧線で牛の前進を遅らせることにより、牧草の選り好みや食べ過ぎを防ぐことができる。また、電牧線の張り具合をリアルタイムに調節するオートリール機能が標準装備されている。

同社のCEOであるAlexander van der Lely氏はVoyagerについて、「これまで農業分野で数多くの先端システムを提供してきた当社にふさわしい、最新の牧畜スタイルを発表することができた。コスト的にも高い節約効果のあるシステムを提供し、酪農家の生活向上に寄与していくことになるだろう」と述べている。