韓国ゲーム産業振興院は、中・高校生と、小・中・高校生の子どもを持つ親、計1,638人を対象に「ゲームに対する認識調査」を実施した。
ソウルをはじめとする韓国の6大都市に住む小・中・高校生の子どもを持つ親1,038人に対しては電話調査、同6大都市に住む中・高校生600人に対しては面接形式で調査を実施している。ちなみに、ここでいう「ゲーム」とは、PCで利用するオンラインゲームのことを指している。
ゲーム歴の長い中・高校生
学生たちにもっとも好きな余暇活動を挙げてもらったところ、32.5%が「ゲーム」と答えており、「テレビ視聴」の22.5%よりも多いことが分かった。このほか、19.5%は「ゲームを除外したインターネット」と答えており、余暇活動の多くをパソコンの前で過ごしている学生の姿が浮き彫りになった。韓国の学生たちにとって、ゲームは大変身近な遊びであるようだ。
それもそのはず、韓国の学生たちは比較的幼い頃からゲームに接しているのだ。最初にゲームに接する時期として、44.5%程度が「小学校低学年」と回答、27%は「小学校高学年」、21.7%が「就学前」と答えている。中・高校生ともなると、大半がゲーム歴が結構長いベテランの領域に達しているのが分かる。
それほどゲームが好きな理由はどこにあるのか。ゲームに対する社会的価値について尋ねたところ、「退屈しのぎ」が45.7%でトップにきており、これに次いで「ストレス解消」が43.2%となった。
さらにゲームをすることによって「友達関係が良くなる」(41.7%)、「PCやインターネットを上手に使えるようになる」(34.8%)、「想像力が増す」(28%)といった効果を感じているようだ。
親もゲームに肯定的
一方、親世代もゲームに対し、それほど否定的な考えを持っているわけではないようだ。子どものゲーム利用について、親の49.2%が肯定的に考えていると答えており、否定的に考える33.5%を上回った。
肯定の理由としては「ストレス解消および楽しさを見出せる」(47.4%)ということで、親・子どもともにストレス解消にゲームが有効であると考える傾向が強いようだ。
ただし、親はゲームの詳細内容にまでは関心が低い。韓国ではゲームを内容により等級分けして利用可能年齢を設けているのだが、このゲーム等級分類の事実を知らないという親は67.2%にも達していた。子どもが等級対象外のゲームに接している可能性があることも考えれば、さらなる関心の高まりが必要だと言える。
韓国不行き届きで個人情報盗用
子どもがゲームをしている――単にその事実しか把握していなければ、どうなってしまうのか。この問題が浮き彫りになったのが、すべての韓国国民に与えられる13桁の「住民登録番号」の盗用だ。調査では39%もの学生が、親の住民登録番号やIDを、こっそり利用していると答えている。また、盗用しようと計画したり、盗用したいと考えた学生は12.2%に上った。
反面、親の22%は自身の住民登録番号の盗用を把握しており、7.7%が盗用を疑った経験があると答えた。親が把握もしくは疑っている数値よりも、実際の学生による住民登録番号の盗用数は多い。
一方、ゲームに関するしつけとしては、68.7%が「利用時間を調節する」と答えている。しかし、子どものゲーム利用による被害は、親自身にも及んでいることも把握すべきだろう。
PCを利用して最新情報が次々更新されるゲームは、親が無関心すぎては副作用も大きくなりそうなことが分かる。時間制限といった量的な教育だけでなく、ゲーム内容まで踏み込んだ質的な教育も必要になりそうだ。