英国ロンドン在住のデザイナーKimberly Hu氏は、まるで折り紙のようにパタパタと折りたたみ、音声や映像に加えて、周囲の香りまで伝えられる携帯電話「Nokia Scentsory」のコンセプトデザインを発表している。
Nokia Scentsoryは、昨夏にロンドンで初めて開催された、今後10~15年後に登場する未来の携帯電話デザインのコンテスト「The Future of Mobile Design」にて公表。同コンテストは、携帯電話メーカー最大手のNokiaがロンドン芸術大学(Central Saint Martins College of Art & Design)と共催。世界12カ国からのデザイナーが参加して、数々の優秀作品が展示されたという。
カードサイズのスリムなNokia Scentsoryは、コンパクトに閉じられた"Closed Mode"のままでも音声通話が可能であるものの、"Scentsory Mode"へと展開すると、デュアル液晶ディスプレイとスピーカーフォンが姿を見せる。また、内蔵されたアロマセンサーが周囲の香りを検出し、通話先の相手のNokia Scentsoryへと香りを転送する。さらに、液晶ディスプレイとキーパッドで、通常の携帯電話のように操作できる"Open Mode"へも展開可能とされている。
Closed Mode |
Hu氏は「嗅覚で呼び起こされる記憶のインパクトは非常に強く、ぜひとも携帯電話コミュニケーションでも実現したいとの思いでデザインを手がけた」とコメント。周囲の香りを通話先の相手に届けられるだけでなく、自分で好みの香りを指定して、アロマ芳香機としても利用できる機能も提案されている。
その後も改良を重ねたNokia Scentsoryは、英国内の他の展示会でも優秀作品として選ばれてきたが、現時点では明確な商品化の予定は明らかにされていない。しかしながら、NokiaのMultimedia Design Strategy & Portfolio部門を率いるAnthony Dalby氏は「未来の携帯電話コミュニケーションについて、非常にユニークで魅力的な観点からとらえる機会が開かれ、今回のコラボレーションから多くの貴重なアイディアが得られた」と語っている。