Samsung電子のドイツ法人は、Vodafone Germanyと端末の供給や流通などに関する共同プログラムの運用を開始したことを発表した。両社によるプログラムは「CPFR(Collaborative Planning, Forecasting and Replenishment)」というもの。端末の供給や流通を細かに管理することができるシステムで、両社は2006年11月から約6カ月に渡り、システム構築を行っていた。
Samsung電子によると、これまではメーカーと流通業者各自による販売方針および短期のプロモーション情報だけが共有されてきたため、両社の需要予測や販売計画に差が生じることがあったという。これにより、人気商品がすぐに品薄となってしまったり、逆に特定の端末が過多供給されてしまうことで、加入者が欲しい端末を手に入れにくい状況が生じていた。
今回のCPFRではSamsung電子のドイツ法人とVodafone Germany間が連動され、ドイツ全域におけるSamsung電子の携帯電話の販売状況を、日/週/月単位および地域/製品別で、こと細かに把握することが可能となる。Samsung電子のドイツ法人側では、Vodafone Germanyによる販売実績や在庫を見ながら端末供給計画を立てられるようになり、また韓国本社でも、ドイツ法人の需要予測情報を基盤にした材料収集や生産計画などが見えてくるというわけだ。
じつはこのCPRFプログラムは、Samsung電子と韓国や米国、英国における、いくつかの流通業者および携帯電話事業者などの間で既に実施されているものだ。在庫を増やしたり市場で端末が品薄になったりして、無駄を増やしたり顧客に不便を強いる状況を克服するシステムとして、一定の効果を上げている。
Samsung電子では今回のドイツVodafoneとの提携を機に、CPFRプログラムの欧州拡大に注力する。いずれは全世界に広げていきたい考えだ。