ASUSTeKは、6月5日~9日に開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2007に先立ち、国内報道関係者向けのプレビューイベントを開催した。そのなかで、同社の次期R.O.G.シリーズである「BLITZ」も公開されている。
ASUSTeKでは、Intel P35チップセット搭載製品として、ゲーマー・オーバークロッカー向けには今回初公開されたBLITZシリーズ。一般のハイエンド~メインストリーム向けには「P5Kシリーズ」を展開する予定だ。
独創的な機能を満載したBLITZシリーズ
BLITZシリーズのラインナップはDDR3メモリ対応の「BLITZ Extreme」と、DDR2メモリ対応の「BLITZ Formula」。R.O.G.シリーズという位置づけから、高い信頼性、数多くのパフォーマンスフィーチャを搭載しているのが特徴だ。
鍵となるのがデュアルグラフィックス環境向けの機能「CROSSLINXテクノロジー」(両製品とも対応)。これは1本のPCI Express x16レーンを、ASICを通じ2本のx8レーンに分けて利用する機能だ。
一般的なIntel P35では、PCI Express x16に加え、PCI Express x4を搭載することが可能。ATXフォームファクタの同社P5Kシリーズ製品でも、このPCI Express x4レーンの形状をx16スロットとすることで2本のグラフィックスカードを搭載可能とし、CrossFireに対応している。しかし、2本目のカードはx4というレーン数、そしてノースブリッジからサウスブリッジ間のバス帯域幅という2つのボトルネックが存在する。
CROSSLINXでは、レーン数こそx16だが、ともにノースブリッジに接続された状態でスプリットしボトルネックを低減しているのが特徴だ。
冷却メカニズムの「FUSION BLOCK SYSTEM」にも注目したい。なお、この機構はBLITZ Extremeにのみ搭載されている。既知のとおり、同社のハイエンド向けマザーボードでは、ノース・サウスのチップセット、そしてCPUのレギュレータが、銅製のファンレス冷却システムで結ばれる冷却システムを採用している。FUSION BLOCK SYSTEMでは、この冷却システムのノースブリッジに対し水冷を導入可能としている。つまり、ノースブリッジ1箇所を水冷することでヒートパイプを通じた全体が冷却できるという仕組みだ。
そして、オーバークロック(OC)機能の「CPU Level Up」(両製品とも対応)。あらかじめ設定されたプロファイルを選ぶことで、搭載したCPUよりも上位のCPUと同等クロックまでオーバークロックする機能だ。BIOSから「E6700」等のモデル名の項目を選ぶだけでユーザーの手間はほとんど無い。さらにこの上に「Crazy」モードが用意されており、Crazyの名の通りデモンストレーションでは、Core 2 Duo E6300(1.86GHz)のFSBを500MHzまで上げ、CPU動作周波数3.50GHzでの動作を披露した。
ほかにもオーバークロック機能やシステムモニタ機能、メンテナンス性を向上させる機能など、全てを列挙すると数え切れないほどの多くの機能を備えている。
8ch HDサウンドカード「SupremeFX II」にはシールドも追加。インタフェースはPCI Express x1 |
前製品では背面I/Oパネルに搭載されていたPOSTコード翻訳機能付きLCDは、「LCD Poster」としてケーブル付きの外部モニタとなった |
「上級者が満足し、初心者にも作りやすいPC」を掲げるP5Kシリーズ
既に台湾ASUSTeKのWebサイトでは公開済みの「P5Kシリーズ」は7製品をラインナップ。ATXが6製品にマイクロATXが1製品だ。
こちらは、CROSSLINXやFUSION BLOCK SYSTEM等の機能は提供されないものの、特筆すべき機能は、「Super Memspeedテクノロジ」。CPU対メモリ比率のバリエーションを豊富に揃えることで、CPU・メモリそれぞれのオーバークロック耐性に合わせた動作クロックが設定可能となる。
また、「AI Slot Detector」では拡張スロットが正しく挿入されているかを判定し、正常にささっていない場合にはLEDが点灯して警告する(P5K-VMを除く)。従来から好評を得ているという「Q-Connector」も付属し、「初心者でも作りやすい」を合い言葉としている。コンデンサや電源回路等の高信頼性、冷却ではStack Cool 2(上位3モデルおよびP5KCで実装)やヒートパイプクーラーなど(上位3モデルで実装)、(こうした機能は価格に反映してしまう面もあるが)長く信頼して使える製品としてアピールしている。