中国インターネット情報センター(CNNIC)がこのほど、中国無線インターネット(WAP)分野では初の「発展レポート」を発表した。レポートによると、今年3月末までの中国WAPユーザー数は約3,900万人で、独立したドメイン名を持つWAPサイトは約6.5万に達するという。

当該レポートで明らかにされたデータは、中国の無線インターネット産業が既に一定規模に達したことの現れだ。インターネットの重要な構成部分として、無線インターネットはまだ発展段階にあるが、過去のインターネット発展の経験に照らすと、高速発展の臨界点が現れ始めているとみてよい。ネットインフラの整備や3G技術などの成熟に影響され、無線インターネットの発展に拍車がかかりつつある。中国インターネット情報センターのアナリスト周洪美氏は、「新規ユーザー数の急速な増加は、ネチズンの無線インターネット使用ニーズがますます高まってきていることの現れ。今後短期間で業界全体の発展が促されるはず」とみる。

しかし、従来のインターネットに比べると、3,900万というWAPユーザー数は2006年のインターネットネチズン数の僅か28.5%に過ぎず、2001年末のインターネットネチズン数に相当する程度だ。また、6.5万というWAPサイト数もインターネットサイト総数の僅か7.7%に過ぎず、2000年末のインターネットサイト数よりも少ない。データが示すところによれば、2000年6月から同年末までの半年間だけで、インターネットサイト数は2.7万から26.5万に激増した。インターネット発展の経験から判断すると、中国のWAPインターネットは発展の臨界点を迎えている。

地域的な発展状況を見ると、広東の発展レベルが全国をリードしており、WAPユーザー数は既に970万人。全国WAPユーザー数の1/4を占めている。これが広東における3GポータルサイトやWAPサイトの発展を促している。北京と上海のWAPユーザー数はそれぞれ170万人と130万人だ。

「中国の無線インターネット発展は東部と西部の間に大きなデバイドがある」と、前出の周洪美氏は言う。「レポートによれば、ユーザーの所在省で区分すると、東部が60.8%を占め、中部が24.1%を占めているが、西部は僅か15.1%。中西部の無線インターネット発展レベルは明らかに東部のそれに遅れを取っている。こうした状況は従来のインターネット発展に類似しており、中国の基本的国情を反映している」としている