インテルは24日、45nmプロセスルールで製造する次期プロセッサについて都内でプレス向けのセミナを行い、今年後半にも量産を開始すると発表した。45nmプロセス品では、High-k(高誘電率)材料を用いたゲート絶縁膜と金属の複合材料を用いたゲート電極(メタルゲート)を採用。また、完全な鉛除去(鉛フリー)を実現する。
45nmプロセスルールで製造する次期プロセッサ「Penryn」のウェハを披露する米Intelのフェロー兼技術製造統括本部 技術戦略担当ディレクタのPaolo A. Gargini氏 |
同社ではこれまでの約40年間、二酸化シリコン(SiO2)によるゲート絶縁膜とポリシリコンによるゲート電極を用いてきた。従来、プロセスの微細化に伴ってゲート絶縁膜も薄くなる傾向にあった。このゲート絶縁膜の厚さは、90nmプロセス品ですでに1.2nm(原子5個分)程度に達している。同社によると、この薄さはすでに限界に近く、ここから漏れ出るリーク電流をどう抑えるかが大きな課題になっていたという。そのため65nmプロセス品では、90nmプロセス品と同じ厚さのゲート絶縁膜が用いられていた。
こういった背景から、45nmプロセス品では新たにハフニウム系のHigh-k(高誘電率)材料を用いたゲート絶縁膜とこれに合うメタルゲートを採用した。これによりゲート絶縁膜を厚くし、リーク電流を従来の10分の1程度に抑えることができたという。また、駆動電流およびトランジスタ性能は約20%高くなった。ソース-ドレイン間のリーク電流が性能比で約20%削減できるため、プロセッサのさらなる低消費電力化を図ることができる。
そのほか同社では、45nmプロセス品からは人体や自然環境に悪影響を及ぼす鉛を完全に除去すると発表した。来年(2008年)からは65nmプロセスルールで製造するチップセット製品についても完全に鉛フリーにする予定。同社では2004年から鉛の使用量を大幅に減らした製品を出荷しているが、ダイとパッケージ基板の接合部に微量(約0.02g)の鉛が含まれていた。、
45nmプロセス品を製造するファンダリは、現在稼動中の米国オレゴン州のD1Dと同アリゾナ州のFab 32に加え、イスラエルのFab 28と米国ニューメキシコ州のFab 11Xの4つを予定している。