新しいSMP開発の目標と今後の取り組み内容

当初の目的をほぼ達成したことで、今後は新しい目標へ向かった取り組みが開始される。主な項目としては次のようなものが挙げられる。

  • ベンチマークや調査を実施し、最適化するべき対象を発見する
  • 8コアシステム以下のケースにおける性能を劣化させることなく、8コアシステムにおける性能の強化へ取り組む
  • 16コアや32コアシステムにおけるスケーリング性能の向上へむけた取り組みをはじめる

ベンチマークの実施や最適化すべき対象の発見には多くのデベロッパやユーザの協力が必要になる。マルチコアシステムにおける性能向上に興味があるデベロッパで協力できる方はぜひとも参加されたい。また16/32コアにおけるスケーリングの向上には、AMD64アーキテクチャで動作するシステムのドネーションが必要だ。こちらも余力があるベンダはドネーションを検討されたい。

また今後の作業の継続にあたるわけだが、次の作業も取り組まれる。

  • lockmgrの再実装
  • 共有ロックに置き換えられる部分を調査し、置き換えていく
  • MPSAFEになっていないサブシステムをMPSAFEへと書き替え
  • スケジューラの改善
  • ネットワーク処理並列化の検討と実験

FreeBSD 7.0にはこうした成果が取り込まれ、さらに7.x系は継続して実施される将来の成果物が順次マージされることになるだろう。FreeBSD 7.x系はマルチコアシステムにおいて真に性能が発揮できるメジャーリリースバージョンという位置づけになりそうだ。