カメラ記者クラブが年に1回、その年で最も優れたスチルカメラを選ぶ「カメラグランプリ 2007」が発表された。グランプリはデジタル一眼レフ「ペンタックスK10D」。またグランプリを除き、話題となった製品に贈られる「カメラ記者クラブ特別賞」には、「ソニーα100」に加え、ソフトウェアとしては初めてアドビシステムズの「Adobe Photoshop Lightroom」が選ばれた。
カメラグランプリは、写真・カメラ雑誌の記者の集まりであるカメラ記者クラブの主催。選考委員は、カメラ記者クラブの会員をはじめ、記者クラブ加盟雑誌の編集長もしくは代表者と、カメラグランプリ実行委員が委託した学識経験者、カメラメカニズムライター、写真家等で構成され、今年は50名が選考にあたった。なお、選考対象となったカメラは2006年4月1日から2007年3月31日に新発売された159機種。
今回グランプリを受賞した「ペンタックスK10D」は、1,020万画素のデジタル一眼レフカメラ。受賞理由としては、カメラ本体内での手ブレ補正機能およびゴミの写り込みを抑える機能、さらに防塵・防滴に優れた堅牢なボディに独創的な撮影モードを多数搭載しながらリーズナブルな価格を実現したことが挙げられている。特に手ブレ補正機能では、Kマウント系レンズだけでなく、アダプターを介したM42時代の古いレンズでも手ブレ補正効果が得られることに加え、ハイパープログラムやハイパーマニュアル、感度優先、シャッター速度&絞り優先モードなど、これまでにない撮影モードが盛り込まれていることが評価された。
aソニー「α100」は、ソニーのデジタル一眼レフ初進出となるモデルで、ボディ内手ブレ補正を搭載した1,020万画素のデジタル一眼レフカメラ。選考理由としては、ソニーのデジタル一眼レフ進出そのものが挙げられており、社会の関心をデジタル一眼レフ、デジタル写真に向けたことが評価された。また、過去のαマウント交換レンズやαシリーズ用アクセサリーなど各種資産を継承し、昨年度のデジタル一眼レフ市場を活性化したことや、カール ツァイスレンズの投入、次期モデルプロトタイプの公表など、将来性を示したことも評価の対象となった。
ソフトウェアで初の受賞となったアドビシステムズ「Adobe Photoshop Lightroom」は、プロカメラマン向けの写真整理、RAW現像ソフト。一般のカメラユーザーも多数のカットを撮影するようになり、画像の整理や調整の効率化が課題になる中、整理やRAW現像から公開までの機能を統合した「Adobe Photoshop Lightroom」はデジタルフォトの進化に大きく寄与したと評価。Photoshopシリーズ全体の功績を含めて今回の受賞に至った。
平雅彦(WINDY Co.)