韓国の携帯電話事業者SK Telecom(以下、SKT)は最大5.76Mbpsのアップロード速度を実現するHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)ネットワークを、2009年までに全国に構築すると発表した。6月から韓国南端の釜山地域でネットワーク構築に着手する。
当初、釜山の一部地域に構築されるHSUPAネットワークのアップロード速度は最大1.45Mbpsだが、2008年の前半には首都ソウルをはじめとする全国23都市で、上り5.76Mbpsのネットワーク構築を予定している。さらに2009年にはHSUPAネットワークを全国84都市に拡大していく予定だ。
対応端末は、2006年10月と2008年2月に、それぞれ2Mbpsと5.76Mbpsのアップロード速度に対応したUSB型HSUPAモデムを販売する。ちなみに現在は、HSDPAに対応したUSB型モデムが販売されている。ノートPCなどのUSB端子にこれを接続すれば、携帯電話以外の端末でもHSDPAによる通信ができる「T LOGIN」サービスが提供されているところだ。SKTではこれに加え、2008年第1四半期中にHSUPA携帯電話を販売する予定だ。
ダウンロードだけでなくアップロードも高速化されるだけに、SKTではHSUPAサービスでのキラーコンテンツとして「UCC(User Created Contents)」に注目している。UCCはユーザー自身が撮影・編集した画像や動画などを指す言葉で、現在韓国では関連サービスが大流行している。
HSUPAでは、携帯電話で撮った画像や動画をPCに移すことなくアップロードすることが可能だ。SKTではこうした点に注目し、現在UCCポータルを構築中だという。ここではUCCの編集や共有が可能で、個人の番組や広告を作る感覚で利用できるものになるという。2007年中にサービスを開始する予定だ。
韓国で初めてHSDPAサービスを開始したSKT。同社によると、現時点でのHSPDA加入者は23万7,000人というが、SKTより1カ月程度遅くHSDPAサービスを開始した後発、KTFのHSDPA加入者は、2007年2月時点で30万人を突破している。HSDPAのみとはいえ、2G時代から市場占有率トップを誇ってきたSKTの、不動の1位神話は崩れることとなった。
HSUPAでもいち早いネットワークの構築にとりかかったSKT。まさかの逆転劇によりHSDPAで2位となった同社が、HSUPAで巻き返しにかかる。