ファミリーマートとディー・エヌ・エーは16日、パティシエ監修のスイーツを共同開発し、全国のファミリーマートにて販売すると発表した。第1弾は「アニバーサリー」(東京・表参道他)の本橋雅人シェフ、「ラ・ヴィ・ドゥース」(東京・曙橋)の堀江新シェフ監修のスイーツ2品で、25日に全国のファミリーマート(約7,000店舗)で発売される。その後も続々と有名パティシエが登場予定で、年間を通じての展開を予定しているという。

ファミリーマートは昨年5月に"ワンランク上の、大人の嗜好品"をテーマにしたオリジナルのスイーツブランド「Sweets+」を立ち上げ、若い女性を中心に好評を博してきたという。ディー・エヌ・エーはオークション&ショッピングサイト「ビッダーズ」を運営しており、26店舗の有名パティスリー(ケーキ店)が集結した「お取り寄せスイーツ」というコンテンツを展開。今回のシリーズ企画は、Sweets+とお取り寄せスイーツのコラボレーションによって誕生した。2カ月ごとに2人のパティシエがお取り寄せスイーツのコンテンツから登場し、スイーツを監修。商品は毎月2アイテムずつ登場する。

新発売スイーツの数々

記者発表会には、ファミリーマート代表取締役社長の上田準二氏やディー・エヌ・エー代表取締役社長の南場智子氏に加え、本橋シェフや堀江シェフが出席。商品概要や開発秘話などが語られた。

「ここ10年の弊社におけるデザート部門の売り上げは、7年前まで安定した売り上げを見せていたが、その後は低下傾向に。ここで再びデザート部門を盛り上げるべく、今回の企画を進めていった」と上田氏。

「デザートの魅力を高めるためにも、ヨーロッパで経験を積んだ有名シェフに監修をと考え、多くの一流シェフが出店するお取り寄せスイーツとの共同企画を立ち上げた」(同氏)とのことだ。

写真左がファミリーマート代表取締役社長の上田準二氏、右がディー・エヌ・エー代表取締役社長の南場智子氏

ディー・エヌ・エーの南場氏は、「これまではショッピングサイトというバーチャル店舗のみだったが、ファミリーマートとコラボレーションすることで、リアル店舗のお客も取り込みたい」と意欲を語った。

第1弾の商品は「カフェモカブリュレ」(270円)と、「ラズベリーフロマージュ」(290円)の2品。どちらも初夏をイメージした内容だという。カフェモカブリュレを担当した本橋シェフは、「チョコレートのブリュレ(濃厚なプリン風のデザート)にチョコレート味のホイップクリームを絞ったこの商品は、乳脂肪分のバランスがポイント。乳脂肪分が高いと暑い時期にはしつこい味に感じられ、逆に低くするとコクやインパクトのない味になってしまう。このあたりの調整に苦労した」と語った。

25日に発売となる「カフェモカブリュレ」(左)と「ラズベリーフロマージュ」(右)

もう1品を監修した堀江氏は商品に対するこだわりを次のようにコメントした。「ラズベリーソース、ライチゼリー、フロマージュブランにガレットクラム(クッキー風の菓子)を組み合わせたラズベリーフロマージュは、食感のコントラストがポイント。食べてもらうその時まで、ガレットのサクサク感がキープできるよう、別添えにした」。

写真左側が「アニバーサリー」の本橋雅人氏、右側が「ラ・ヴィ・ドゥース」の堀江新氏

今後は「サロン・ドゥ・シェフ・タケエ」(東京・調布)の武江章シェフや「こぬれ・広尾」(東京・広尾)の加賀和子シェフが登場予定。デザート部門の売り上げ予想に関してファミリーマートの上田氏は、前年比110%としている。