米カリフォルニア州ロサンゼルスで5月15日(現地時間)から、Microsoftのハードウェア開発者向けカンファレンス「WinHEC 2007」が始まった。オープニング基調講演でBill Gates会長はWindows Vistaの順調な船出をアピール。デバイス接続技術のWindows Rally、Windows Home Serverなどのデモを披露した。また、これまでWindows Server “Longhorn”のコード名で呼ばれていた次世代サーバOSの正式名を「Windows Server 2008」にすると発表した。
Gates氏によると、Windows Vistaはコンシューマー向けリリースから100日で4000万コピー近くを販売した。その78%がPremium Editionとなっており、「デジタルライフスタイルへのシフトと、よりリッチなコンピューティングを求めるユーザーがWindows Vistaのへのアップグレードを牽引している」と同氏。パートナー企業によるVistaサポートも順調に進捗しており、すでに10,000以上のハードウェアおよびソフトウェアがWorks with Windows VistaロゴまたはCertified for Windows Vistaを獲得しているという。
Rallyで手軽に広がるVistaの世界
ユーザーはWindows Vistaロゴをたよりにすれば、簡単にVista対応の周辺機器を簡単に見分けて購入できる。さらに、それらの機器を容易に接続し、ホームネットワークに組み込めることをアピールするために、Windows Rallyのデモが行われた。
Windows Rallyは、ホームネットワークを通じてWindows Vista搭載PCと対応周辺機器を安全かつ便利に利用するための接続技術群だ。デモは、すべての周辺機器が購入されたばかりという設定で行われた。まずNetwork Explorerを使って無線ルーターをセットアップ。さらにNASストレージやWi-Fi対応カメラ、デジタル写真立てなどを組み込み、その場で撮影した写真をネットワーク内で共有してみせた。無線ルーターの接続設定は自動的にPCから各デバイスへと転送されるため、プラグイン - 電源オン - インストールの繰り返しだけでデバイスの追加は完了する。最後にHDメディアブリッジを組み込み、PCとHDTVにHDコンテンツをストリーミングした。周辺機器を追加するステップを1つずつ説明しながらのデモだったが、すべての作業の完了にかかった時間は5分程度だった。
WHSで家庭のPCやコンテンツを管理
Windows Home Serverに関しては、Gateway、LaCie、Medion Internationalなどが新たにハードウェアパートナーとなった。またシステムビルダー向けにWindows Home Serverソフトウェアを提供することが発表された。
ISVは、常時オンで使われるWindows Home Serverをターゲットに製品を開発することで、デジタルホーム向けの新たなタイプの製品で新市場を開拓できる。すでに、デフラグツール「Diskeeper 2007」、F-Secureのウイルス対策機能、ホーム管理ソフトの「mControl」、Lagoteckのホームオートメーション、Iron Mountainのデータ保護サービス、メディアストリーミングの「PacketVideo Connect」、メディアサーバソフトの「SageTV」などがWindows Home Serverサポートに取り組んでいるそうだ。
デモでは、Hewlett Packardが今年後半に提供する予定の「HP MediaSmart Server」が紹介された。机の上においても邪魔にならないような小さなサイズで、モニターやキーボード / マウスは接続されていない。電源、EthernetケーブルをMediaSmart Serverに接続し、ホームネットワークに接続しているPCに専用ソフトをインストールして、PCからMediaSmart Serverを管理する。
まずMediaSmart Server内の写真にPCやXbox 360からアクセスして見せた。続いて、管理者がMediaSmart Serverコンソールを通じて接続しているPCの状態を確認すると、「ファイアウォールがオフ」の警告が出ている。どうやら子供がゲームをインストールした際にオフにしたようだ。その場ですぐにオンに戻し、さらにお仕置きとして、しばらく息子が音楽にアクセスできないようにした(最近の子供には、これが一番効くらしい……)。このほかマルチPCバックアップ、修復ウイザードを用いたHDD交換、無料提供されるドメイン名を利用したリモートアクセスなどが披露された。