2006年度決算を発表するイー・アクセス代表取締役会長の千本倖生氏 |
イー・アクセスは14日、2006年度通期(2006年4月-2007年3月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比6.8%減の562億5,000万円、営業利益は同88.8%減の10億4,900万円、当期純利益は同81.9%減の9億900万円だった。連結子会社イー・モバイルにおける移動体データ通信事業の開始費用が大きかったためで、ADSL・ISP事業を行う同社単体での営業利益は過去最高の125億3,200万円となった。
ADSLおよび「AOL」ブランドでのISP事業は、売上高が559億8,400万円で前年同期に比べ7.2%の減となったが、コスト管理の徹底などで収益性を向上させ、営業利益は同7.4%の増益とし過去最高を達成した。光回線の普及に伴い、インターネット接続サービス市場全体の中ではADSLは縮小傾向にあるが、同社では低料金の「新12Mbpsサービス」などでナローバンドユーザーのADSLへの移行を促進し、2006年度通期で契約数を約7,000回線の純増とした。
子会社のイー・モバイルが今年3月31日に開始したデータ通信サービスの売上高は5億2,000万円、営業損失は114億6,700万円。設備投資額は308億2,500万円に上った。イー・モバイル代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏によれば、4月末時点での契約数はおよそ3万(速報値)で事業は順調に推移しているといい、6月末に東京エリアでは国道16号線圏内、大阪エリアでは神戸市および大阪市近郊までエリア拡大を図る。
また、イー・アクセスは同日、同社が保有するイー・モバイル株式の一部を5月末(予定)にゴールドマン・サックス・グループ関係会社へ売却することを発表した。イー・アクセスは引き続きイー・モバイルの筆頭株主だが、持分比率は43.5%から37.6%へと低下し、ゴールドマン・サックスは同29.8%から35.7%となる。これによりイー・モバイルはイー・アクセスの連結対象から外れ、持分法適用会社に変更となる。売却株数は10万株、金額にして120億円。売却の目的としては、イー・モバイルへの初期段階の投資利益を回収しイー・アクセス株主へ還元すること、売却資金と持分比率変更による連結バランスシートの強化、イー・アクセスおよびイー・モバイルのガバナンス体制の明確化が挙げられている。
(追って詳報を掲載いたします)