NVIDIAは、GeForce 8世代のモバイル向けGPU「GeForce 8000Mシリーズ」を発表した。今回よりGeForce Go 7x00という命名形式からGeForce 8x00Mへ変更され、「GeForce 8600M GT」「同8600M GS」「8400M GT」「8400M GS」「8400M G」の5製品をラインナップしている。

GeForce 8600M GT

今回発表された製品とそのターゲットセグメント。バリュー向けにはグラフィック統合チップセットのGeForce 7000Mシリーズも用意する

そのほか、ビジネス向けにQuadro NVS-M、ワークステーション向けにはQuadro FX-Mも

GeForce 8000Mシリーズは、デスクトップ向けのGeForce 8000シリーズ同様、DirectX 10に対応したストリームプロセッサを搭載。Lumenuxエンジンも搭載している。同社資料によれば、従来のGeForce 7000 Goシリーズの同セグメント製品と比較し、差の大きいものでは2倍、あるいはそれ以上の性能になるとされる。これにより、ノートブックPCにおける3Dゲームはもとより、3DをUIに用いたOSやアプリケーションの動作が快適になるという。

同社資料より。GeForce 7000 Go世代とGeForce 8000M世代との性能を比較したグラフ

統合グラフィックチップセットが主流を占めるノートブックだが、同社Marketing Manager, Notebook PC GraphicsのRavi Kaushik氏は、デモンストレーションにAdebeの「Adobe Reader」、Googleの「Picasa」「Google Map」などを用いてより高性能GPUを搭載することによるメリットを示した。Adobe ReaderはGPUによるアクセラレーションが利用でき、またPicasaやGoogle Mapでも拡大縮小や回転がより快適なものとなる。

NVIDIA Marketing Manager, Notebook PC GraphicsのRavi Kaushik氏

3Dゲームができるという点も重要だが、新世代アプリケーションがより快適になるという点でも高性能GPU搭載ノートは魅力だ

また、GeForce 8000Mシリーズは、Blu-rayやHD DVDといったHDビデオを含む映像再生を支援・高画質化するPureVideo HDに対応する。PureVideoのVideo Processorは最新のVP2。そのためHDビデオコンテンツの再生においてCPU負荷を下げることが可能となり、省電力化によるバッテリー持続性能の向上が実現するとしている。また、GPU自体もクロック制御や、クロックゲーティング、ローパワーメモリモード等を可能とする省電力機能「PowerMizer 7.0」を搭載している。なお、HDCPに関してはオプション対応だ。

Blu-ray・HD DVD再生時のCPU負荷を示したグラフ

PowerMizer 7.0の概要。デコード処理を"汎用"なCPUから"専用"なGPUに置き換えることで省電力を実現するとのこと

GeForce 8600Mでは、上位の8600M GTが32基のストリームプロセッサを搭載し、8600M GSがストリームプロセッサは16基と8600M GTの半分だがより高クロックという仕様。GeForce 8400Mシリーズは、上位2製品の8400M GT、8400M GSがストリームプロセッサを16基、下位の8400M Gが同8基となる。また、GeForce 8400Mの上位2製品の違いは、動作クロック、メモリの最大搭載量、メモリ接続バス幅など。なお、GeForce 8000Mシリーズの製造プロセスは90nmで、チップサイズは27×27mm、トランジスタ数は2億8900万とされる。

主な仕様
GPU 8600M GT 8600M GS 8400M GT 8400M GS 8400M G
ストリームプロセッサ 32 16 8
コアクロック 475MHz 600MHz 450MHz 400MHz
シェーダークロック 950MHz 1200MHz 900MHz 800MHz
メモリクロック 700MHz 600MHz
最大メモリ搭載量 512MB 256MB
メモリ接続バス幅 128bit 64bit