InnoTekは23日(ドイツ時間)、仮想化ソフトウェアVirtualBoxのMac OS X移植版「VirtualBox for OS X」のβリリースを公開した。動作対象のハードウェアはIntel製CPUを搭載したMacintoshシリーズ、バイナリパッケージは同社Webサイト上で無償提供される。

GUIと高速性を実現したVirtualBoxのMac版が登場

VirtualBox for OS Xは、2007年第2四半期のリリースが予定されているVirtual Box 1.4(開発版)をコードベースに採用。バージョンは1.3.99-beta1と、3月にリリースされたWindows版とLinux版(1.3.8)より新しく、QtベースのGUIに加え、64ビットCPUに対応するなど最新の開発成果が反映されている。

パッケージは仮想化機能を高速化するカーネル拡張が収録された「The VirtualBox Kernel Extension」のほか、ドライバをロードするためのスクリプト「The VirtualBox Startup Items」、VirtualBox本体の「The VirtualBox Application」、コマンドラインからVirtualBoxの機能にアクセスする「The VirtualBox Command Line Utilities」で構成。必要な空きディスク容量は約37MB、コマンドラインユーティリティのみインストール時に除外することが可能。

VirtualBox for OS Xは開発途上のため、USBスタックが実装されていないほか、Intel VT-x / AMD-V CPUの仮想化支援機能に未対応など、未サポートの機能が多い。しかし今回のリリースではカーネル拡張の実装が完了、Mac OS X用仮想化ソフトで先行するParallels DesktopやVMware Fusion並みの速度を達成したことから、無償の強みを生かし個人向け市場でシェアを拡大する可能性が生じた。