最新の医用画像機器及び周辺機器を一堂に公開する総合学術展示会「2007 国際医用画像総合展」が13日から15日まで、パシフィコ横浜にて開催された。主催は日本画像医療システム工業会。出展した約150社は、X線被爆量をさらに軽減したX線装置や日本人女性に配慮した乳がん検診用の装置「マンモグラフィー(乳房X線撮影装置)」などの新製品を同展示会に合わせて発表した。

2007 国際医用画像総合展

特に目立ったのは、X線をデジタル画像化するFPD(平面検出器)の大型化で、あるメーカーは「医用画像のデジタル化は普及しているとまでは至っていないが、需要は高まっているのは事実。特に、最近は腹部など広範囲のデジタル画像化を望む声があり、それがFPD(平面検出器)の大型化につながっている」と話していた。

東芝メディカルシステムズ

MAMMOREX Pe.ru.ru

「MAMMOREX Pe.ru.ru」は同社の女性スタッフが中心となって開発された新型のマンモグラフィー(乳房X線撮影装置)。柔らかいプラスチックの素材を使用することで、乳房を挟み込む時の痛みを軽減するという。また、乳房の大きさを問わず検査できるのが特徴で同社は「日本人の乳房の大きさに配慮した。男性の乳房まで検査できる」と力を込めた。

Infinix Celeve - i INFX-8000V

血管撮影に用いるバイプレーンX線装置「Infinix Celeve - i INFX-8000V」は、X線を光に一度変えてからデジタル画像化する間接式FPD(平面検出器)を2枚使用することで、撮影したい部分の正面と側面の画像を同時に映し出すことができる。

島津製作所

BRANSIST safire (HF9 CARDIAC PACKAGE)

血管撮影システム「BRANSIST safire (HF9 CARDIAC PACKAGE)」は直接変換方式のFPDを搭載。同社は「X線を一度光に変えてデジタル画像化する間接方式に比べ、X線を直接デジタル画像化する直接方式はブレがなく、精細な画像を提供できる」としている。

Sepio NUANCE DT

マンモグラフィー「Sepio NUANCE DT」は撮影台と圧迫板の間にセットされた薄いシートと一緒に乳房を引き込むことで、撮影領域が広がる機能を搭載した。

日立

全身用X線CT診断装置「ECLOS」

全身用X線CT診断装置「ECLOS」は大病院からクリニックまで、施設の状況に応じたカスタマイズが可能な点が特徴。導入後も装置のカスタマイズを行うことができるとしている。また、従来のX線被爆量を半分以下に抑えるなど、被検者にも優しい構造となっている。

乳房X線撮影装置「 LORAD M-IV」

乳房X線撮影装置「LORAD M-IV」は、マンモグラフィに最適な直接変換方式FPD(平面検出器)を使用。最大の視野サイズが24×29cmでほとんどの乳房サイズに対応可能とする。また、高透過度セルHTC(High Transmission Cellular Grid)リッドが散乱X線を除去するため、コントラストの高い画像が得られるという。設置面積が非常に小さくて済むため、標準的な検査室にも容易に設置できる。