IntelのSenior Vice PresidentでDigital Enterprise GroupのGeneral ManagerでもあるPatrick P. Gelsinger氏

インテルは20日、米IntelのSenior Vice PresidentでDigital Enterprise Groupのトップを務めるPatrick P. Gelsinger氏が来日したことにあわせて記者説明会を開催し、17・18日に北京で行われた「Intel Developer Forum(IDF) Beijing 2007」でのトピックを日本の報道関係者向けに説明した。

説明会の前半は、今年後半より製造が開始されるという45nmプロセス世代のマルチコアプロセッサ"Penryn"(開発コードネーム)の紹介にあてられた。現在のCore 2 DuoやXeonに採用されているCoreマイクロアーキテクチャーを一部拡張し、拡張命令の「SSE4」を新たに実装、現行製品と同一周波数でもPenrynのほうが高い性能を得られるという。また、動作周波数がさらに高い製品、具体的には3GHzを超えるモデルも投入する。L2キャッシュもより大容量となり、デュアルコア製品では最大6MB、クアッドコア製品では最大12MBを搭載する。

サーバー/ワークステーション向けには「Xeon」、デスクトップ向けには「Core 2 Extreme」および「Core 2」、モバイル向けには「Core 2」の商品名で展開する予定で、モバイル向け製品には「ディープ・パワーダウン・テクノロジー」などの新しい省電力技術も追加される。

あらためて紹介された次期プロセッサ"Penryn"。サーバ、デスクトップ、モバイルの全セグメントに投入される

説明会ではPenryn搭載ワークステーションを用意し、国内初の実機デモンストレーションを行った。動作周波数3.2GHz、FSB 1600MHzのクアッドコアCPUを2個搭載し、第2世代(Gen2)のPCI Expressで接続されたグラフィックカードを搭載するというマシンを利用して、MRI装置で撮影された複数の平面映像から3次元のモデルをリアルタイムで生成する様子が紹介された。Penrynを現行製品と比較した場合、3Dレンダリングで25%以上、SSE4に最適化されたビデオエンコード処理では40%以上、Javaアプリケーションの処理で最大25%パフォーマンスが向上する見込みとされている。

MRIで撮影したデータを3次元可視化するデモ。右写真のグラフはPenrynのパフォーマンスを示すものだが、現在は「推測値」とされている

後半では、Gelsinger氏がIDFの基調講演でも触れた「QuickAssistテクノロジー」なども紹介。XMLデータの処理やネットワークを流れるパケットに対するセキュリティ処理など、特定処理のためのハードウェアアクセラレーターをプラットフォームに含める取り組みだが、そうしたアクセラレーターと、CPUコアやメモリコントローラーに相当する機能を1チップに統合する"Tolapai"(開発コードネーム)にも言及し、質疑応答の中で同氏は、これに搭載されるCPUコアのアーキテクチャーがCoreマイクロアーキテクチャーであることを明らかにした。

いわばCPUとチップセットを一体化した"Tolapai"

また、同社では90nm、65nm、45nmと2年おきに新製造プロセスを投入し、65nm世代では前半にCore(Yonah)、後半にCore 2(Meromなど)といった形で微細化→アーキテクチャー一新のロードマップをとったが、これは45nm世代でも同様で、Penrynを前半の微細化段階とすると、後半の革新段階にあたる次・次期プロセッサとして、新マイクロアーキテクチャーを採用する"Nehalem"(開発コードネーム)が控えており、2008年中に生産が開始されるという。さらに先の2年間にあたる32nm世代の製品としては、"Westmere"、"Sandy Bridge"という開発コードネームも明らかにされている。

微細化とアークテクチャー変更を1年おきに行い、2008年中には新マイクロアーキテクチャーを採用する"Nehalem"の生産が開始される予定