具体策としては「大型汎用機に匹敵するような信頼性の高いアーキテクチャーを採用、当社として初の仮想化技術の導入」(同)を軸に、柔軟性、管理性を高め、シンプル化、標準化による品質の均一化、運用者スキルの集約化を進める。田中部長は「仮想化にはさまざまなメリットがある。柔軟なプラットフォームにより、ムダの削減が可能になり、プラットフォーム自体をリソースとしてプール化、必要に応じて、必要な機能だけを利用できる。個別に拡張していた領域の統合で、管理も楽になる。トランザクションが急増しても、リソースの再配置で対応できる」と指摘する。

同社はこのプロジェクトで、基幹系サーバー「HP Integrity Superdome」とブレードサーバー「HP BladeSystem」を採用した。基幹系では、データベースやバッチサーバーなどクラスタ構成が必要であり、高信頼性が求められるとの観点で、ブレードについては、アプリケーションやWebを担う小型で多数のサーバーで、管理/柔軟性が重要といった基準で選定したという。「HP Integrity Superdome」は本番環境として4台、開発環境として1台、「HP BladeSystem」は、「HP Integrity BladeSystem」は21台を配置、業務システムを統合した。

製品の選定にあたり、同社では、サービスを供給する側がそのサービス品質を保証するSLA(Service Level Agreement) を重視「SLAの違いに応じてプラットフォームを選ぶことで、コストパフォーマンスを最大限に発揮できると期待した」(同)としている。

同社は今後さらに、対象とするプロジェクトを拡大していくほか、ミドルウェア層、アプリケーション層の統合により、いっそう統合基盤を拡張していくことを考えている。また、田中氏は日本HPへの期待として「『Integrity Superdome』や『BladeSystem』は集積率が高いので、スペースごとの性能が向上している。ただし、スペース単位での熱増大、電源、重量などの問題もある。研究、開発により、運用コストのいっそうの低減化につながることを期待したい」と述べた。