清華同方はこのほど、「強者なら自ら飛躍」と題したデジタルテレビ新製品の発表会を北京で開催した。
今回発表されたのは、B55、B56、B56Dなど2007年最新モデル20余機種のデジタルテレビ。同方は、B55シリーズ高速ストリーミングメディア液晶テレビの開発に際し、社外の設計事務所に外部委託し、金型から自主開発を行った。
B55シリーズは、37インチ以上のラインナップでは全てフルHD、解像度が1920X1080。
昨年8月の中国デジタルテレビ地上伝送標準「DMB-TH」発表後、アナログ信号からデジタル信号への転換作業が全国各地で実施されている。同時に、STBを無料配布するといった普及措置もとられてきたが、B56Dの最大の特徴は、B56の長所を全部受け継いだ上で、外付けSTBを必要としないデジタルテレビであるということだ。
従来のカラーテレビメーカーが次々とフラットテレビを値下げし、シェアの確保に走るなか、ITメーカーの清華同方は、独り中国国内最大のデジタルテレビ生産基地の建設に踏み切った。同方株式有限公司消費電子事業部総経理の王良海氏は発表会の席上、「同方が所有する20万平米余のデジタルテレビ生産基地は、中国国内のいかなるカラーテレビメーカーよりも規模が大きい」と語った。
「清華同方のデジタルハイビジョンテレビ開発は1日で出来上がったものではない。6年もの歳月も費やした」(王良海氏)。
同方は1999年にデジタルテレビ産業に足を踏み入れ、その後、自ら研究開発したデジタル地上伝送標準が昨年8月には国家標準として採用されている。同方はこの間、瀋陽、深センの2都市に、それぞれ12万平米以上のデジタルテレビ生産工場を建設し、200万台の生産能力を備えるに至った。現在、同方のデジタルテレビはオーストラリアや欧米各国に輸出されているが、とくにオーストラリアでは昨年10万台を超える販売実績を残し、欧米市場での販売量も上昇傾向にある。
清華同方は半月前に5億元の資金を投じて運営キャリアと提携したが、その狙いは、デジタルテレビコンテンツ及び付加価値業務でのビジネスチャンスの発掘とみられていた。今回、同方が大々的に新型テレビをリリースし、家電売場への浸透を強化したことは、今後も引き続きハードウェア設備市場におけるシェアを拡大するという意思の表れをみられる。
中国の業界筋は、「今日の同方には、デジタルテレビ放送設備、STB及び今回のデジタルハイビジョンテレビなどのハードウェアから、デジタル娯楽ポータルサイトや、デジタル教育、デジタル音楽著作権などのコンテンツと付加価値業務まで、比較的完備した産業チェーンが出来上がっている」とみる。事実、中国国内で、従来のパソコンメーカーのなか、清華同方ほどデジタルテレビ産業へ力を入れている企業はない。清華同方が、伝統的なカラーテレビメーカーとどう渡り合い、デジタルテレビ市場で目的を達せられるか、業界内外から注目が集まっている。