「安価なHSDPA携帯」として有名な、LG電子のLG-KH1200。インターネットはできないものの、海外ローミングやテレビ電話といった機能は可能だ。店頭では1ウォン(約0.13円/1円=0.1267ウォン)など、無料に近い価格で販売されている

韓国で開発された、携帯電話用プラットフォーム「WIPI(Wireless Internet Platform for Interoperability)」が、国際標準化に大きく近づいた。

韓国無線インターネット標準化フォーラム(KWISF:Korea Wireless Internet Standardization Forum)は、携帯電話関連の国際標準化団体である「OMTP(Open Mobile Terminal Platform)」と、モバイルプラットフォーム標準化に関する協力を行うことでMOUを締結した。

MOUの主要内容は、モバイルプラットフォーム関連の標準開発、グローバル市場に対する戦略研究、プラットフォーム互換性確保における協力および関連情報の交換だ。

同時に、WIPIがOMTPの標準に反映されたほか、モバイルソリューションおよびサービスなどの国際標準化団体である「OMA(Open Mobile Alliance)」の総会が今年8月に開催されるこどなどもあり、「WIPIが注目を集め世界標準化するための土台がそろった」と韓国側では大きな期待を寄せている。

韓国では現在、携帯電話にWIPIを搭載することが義務付けられている。しかし最近、携帯電話事業者のKTFが、WIPIの最重要機能であるインターネット機能を抜き、端末を構成する部品などを減らした安価なHSDPA携帯を販売。これに対して政府は「インターネット機能のない端末に対しては」と条件を付けた上でWIPI搭載義務をなくしてしまったため、今後もインターネット機能のない3G携帯電話は続々出てきそうな気配だ。

KTFが発表した安価な3G携帯は、インターネットはできないもののテレビ電話や海外ローミングなどは可能なことから人気を得て、同社のHSDPAサービスの躍進に貢献しているが、反面、それではWIPIが韓国に根付かないのでは、との懸念も出ている。

今回、KWISFがOMTPとMOUを結んだことはWIPIの国際標準化にとって大変な好材料ではあるが、まずは国内にWIPIが根付かないことには国際標準化も難しいものと思われる。