中国・北京で開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」にて、モバイルコンピューティングの最新動向を紹介する基調講演「Where Does WirelessGo From Here」が行われた。スピーカーはMobility GroupのDavid Perlmutter氏と、Ultra Mobility GroupのAnand Chandrasekher氏。本稿ではそのうち、Perlmutter氏の講演内容をお届けしたい。注目したいのは、2008年登場予定のCentrinoである「Montevina」の話題。Santa Rosaを順調に立ち上げながらも、さらに先を見据えた新技術でMobileを進化させるという。
IntelのSenior Vice Presidentで、Mobility GroupのGeneral Managerを兼任するDadi Perlmutter氏(左側)。同じくSenior Vice Presidentで、こちらはUltra Mobility GroupのGeneral Managerを兼任するAnand Chandrasekher氏(右側)。おなじみの2人だ |
進化は止まらない、Montevinaのスケジュールは順調
「今が大丈夫だったからといって、それで将来も大丈夫とは限らない」と語るのはPerlmutter氏。同氏が「最大のトピックは、ノートブックPCがデスクトップPCの出荷台数を上回ること」とするように、将来のパーソナルコンピュータ市場は、モバイル向けが多くを占めるであろう可能性が高い。そして、現在もCentrinoプラットフォームは大きな成功を収めている。しかし、Intelはこのモバイルの状況にはまったく満足していないのだという。
Intelは「数週間以内」に、従来のプラットフォームから大きなジャンプアップとなるSanta Rosaを投入する。しかし将来のプラットフォームでは、進化の速度をこれまで以上に速めるのだという。すでにお伝えしたように、まず次世代としてSanta Rosa Refreshが登場し、その次の世代ではコンポーネントが一新されるMontevinaが登場する。
5月に登場するSanta Rosa。なお「Centrino Pro」の新ブランドは明らかになっていたが、スライドを見る限り、Proではない通常プラットフォームのブランドは「Centrino Duo」が継続となるようだ |
Turbo Memoryなど、Santa Rosaでは多くの新技術が投入されている。それでも今後はさらに進化の速度を速め、これまで以上の向上を目指すという |
重点的にイノベーションを起こす4分野。この4つこそが、モバイルで求められている要素だとされる |
これまでも、パフォーマンスとバッテリーライフの向上を推し進めてきた。Perlmutter氏は「パフォーマンスはもういらないと言う人がいるが、それは間違っている」と話す。なぜパフォーマンスが必要なのか? 新しいユーザー体験、市場が開けるからだという |
Perlmutter氏が「Montevinaで採用する新しいプロセステクノロジは非常に優秀だ。スケジュールどおり生産できる」と順調な開発状況をアピールするMontevinaだが、このプラットフォームの特徴は4つ。45nm High-kプロセスで製造される、電力効率の高さが特徴のプロセッサ(Penryn)。High-def Videoのハードウェアデコードをチップセットに内蔵する高いグラフィックス性能。コンピュータの小型化に適した、最大40%まで小型化されたコンポーネント。そして、WiMAXを統合した新たなWirelessテクノロジーだ。
初期のCentrinoはWi-Fiを普及させることに成功したが、Perlmutter氏はWiMAXでも同じ成功を目指したいと述べ、大容量データを扱える高速な通信速度を持ち、かつ広域というWireless性能が「今までにない新しい体験をもたらす」と優位性をアピールしている。これまではなかなか進捗を実感できなかったWiMAXだが、すぐ将来のCentrinoで(オプション)採用されることからも、その普及に向けた準備は「前例の無いスピード」で進んでいるのだとされた。