インテルは11日、定例記者会見「インテル・クライアント・レギュラー・アップデート」を開催した。同催しは、インテルの最新技術情報および新製品、キャンペーンなどを紹介する目的で定期的に開かれているもの。今回のアップデートの目玉はPenrynとNehalem、また近日登場予定の次世代Centrinoにかかわる情報だ。
会場にはPenrynのワーキングサンプルが展示されていた。ちなみにWolfdaleコアとYorkfieldコアなのだが、どっちがどのコアなのかは正確には不明 |
北京で開催されるIDF 2007がいよいよ近づいてきた。PenrynやSanta Rosaの正式リリースも間もなくだろう |
2007年は業界を力強くひっぱる年
2007年の大きな話題としては、45nmプロセスで製造される次世代プロセッサ「Penryn(開発コードネーム)」がある。現行世代から拡張されたCore マイクロアーキテクチャに基づき、より高速な動作周波数と大容量キャッシュ、SSE4拡張命令などで強化され、新たなプロセスと電源管理技術により、電力効率の改善も実現しているとされる。
プロセッサでいえば32nmプロセスのGesherまで、約2年おきにジャンプアップを計画している |
「インテル 3シリーズ・チップセット」というシリーズ名は初出か? 今年のCeBITにて事実上発表となった45nm/FSB1333対応の次世代チップセット |
45nmプロセスとしては、同社がPentium Pro以来の革新と定める次世代のアーキテクチャ「Nehalem(開発コードネーム)」によるプロセッサ製品が、2008年より各セグメントに向けて量産出荷される。すでに伝えられているように、最大8コア/SMTにより最大16スレッドの同時実行が可能で、メモリコントローラーを内蔵するなど大幅なアーキテクチャ刷新が行なわれている。
ほか、2007年の重要な動向として、ワイヤレス・ブロードバンド技術「WiMAX」の進捗が順調なことが強調された。インテルでは「より豊かな生活に向けたイニシアティブ」として、デジタルヘルスとともに、「スマート・デジタルライフ」の実現を謳っている。WiMAXは、このスマート・デジタルライフのインフラ部分を担う役割を持つ。
このスマート・デジタルでは、実現予定のサービス部分のデモンストレーションも披露された。PCと携帯電話を融合させた新たな有料コンテンツ配信サービス市場の創造を目指して、すでに動画コンテンツ配信の新サービス(仮称:NFRMサービス)の実証実験を実施しており、当日は実際にPCと携帯電話を組み合せ、気軽に高画質で動画を楽しめる様子が披露された。現在は実証実験中のため、こちらの専用サイトにて無料で同サービスを体験可能となっている。
マルチコアプラットフォームの普及に備え
同日、クアッドコアなどのマルチコア、Windows Vistaに対応する新しいツール群が発表された。Windows Vistaをターゲットとする開発者からの、並列処理ツールへの効率化の要望を受けたものとされ、「インテル vTune パフォーマンス・アナライザー」、「インテルスレッドプロファイラー」「インテル スレッディング・ビルディング・ブロック」「インテル スレッドチェッカー」の最新版を提供開始している。販売やサポートの代理店はエクセルソフト。