米AMDは4月9日(現地時間)、同社が4月19日に発表予定の2007年第1四半期決算(1-3月期)において、売上が当初予想の16~17億ドルに満たない12億2500万ドルへと落ち込む見通しを報告した。ライバルのIntelとの競合による製品販売単価の下落と、特に再販チャネルにおける出荷数の大幅な減少が響いたと同社では説明する。AMDは経営効率化と運営コスト低減を目的にしたビジネスモデルの再構築を打ち出すとともに、2007年度の支出を約5億ドルの水準まで削減する計画を発表している。
売上見通しの下方修正については、すでに同社CEOのHector Ruiz氏が3月5日(現地時間)に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「Morgan Stanley Technology Conference」で示唆していた。だがRuiz氏は同時に楽観的な見通しも示しており、「2007年通期で見れば見通しは明るい。過去3年にわたって連続で出荷数を伸ばしており、さらなるシェア拡大が期待できる。今年登場予定の4コアプロセッサ"Barcelona"が大きな躍進につながるだろう」と今後の展開に期待を寄せた。
そうした見通しは、株価の動きにも表れている。早朝にAMDの決算見通しの一報が飛び込んできたニューヨーク株式市場(NYSE)の取引は、オープニング直後に前日比約50セント高の水準でスタートし、前日比49セント高の13.35ドルで終えた。米Wall Street Journalなどは、今回の発表に対するアナリストらのコメントを交えながら、AMDの利益体質改善やシェア拡大に向けたよい兆候であると、市場の歓迎ムードを伝えている。