劇場用映画『大帝の剣』が7日、公開初日を迎えた。都内で行われた舞台挨拶には、原作の夢枕獏氏や堤幸彦監督、主演キャストの阿部寛、長谷川京子らが登場し、映画の見どころや製作秘話などを語った。
『陰陽師』など数々のヒット作を飛ばしている夢枕獏の同名小説を映画化した『大帝の剣』。人並み外れた巨体の持ち主である万源九郎(阿部寛)は、地球外金属の"オリハルコン"で作られた三種の神器の一つである大帝の剣を背負い、残りの二つ("闘神の独鈷杵"と"ゆだの十字架")を求めて旅をしている。ある日、源九郎は豊臣の血を引くが故に、徳川から命を狙われている麗しき姫、舞(長谷川京子)と出会い、舞と彼女を守る真田の忍者・佐助(宮藤官九郎)と道中を共にすることに。しかし、彼らの行く手には三種の神器と舞の命を狙う妖怪忍者軍団「土蜘蛛衆」や、舞に寄生する宇宙人「ラン」を追って地球にやってきた宿敵「ダクシャ」が立ちはだかる。オリハルコンをめぐって、次々と襲い掛かる人知を超えた敵に源九郎はどう立ち向かうのか……。
舞台あいさつには、原作者の夢枕獏を始め、阿部寛、長谷川京子、黒木メイサ、竹内力らキャストに加えて堤幸彦監督が登壇。作品について堤監督は「遊園地の中のかなり面白いお化け屋敷のようにならないかと思って作りました」。阿部も「大人が真面目に取り組んだ遊び心満載の作品」と話した。制作現場の話になると、長谷川京子は「阿部さんと同じ位、低い声を出してほしいと監督に言われたので、お腹の底から声を出して頑張りました。でも、完成したら声が加工されていた」と苦笑い。それに対して、堤監督は「"華麗なる一族"なのに(そんな指示を出して)すみませんでした」と謝罪するなどして、会場を笑いに包んだ。
関係者の声
堤幸彦監督
「遊園地の中のかなり面白いお化け屋敷のようにならないかと思って作りました。コネタは今回も多いですね。俳優を見ていると自然と思いついてしまうんです。製作現場は大人が真面目に遊んでいたような印象でした」
夢枕獏
「原作者の自分も非常に楽しんで拝見させていただきました。特に、阿部さんが"大帝の剣"をブンブン振り回す姿が格好良かったです。この中では、僕が一番身長が低いと思うのですが、阿部さんの身長を5cm位僕に分けてほしいですね」
阿部寛(万源九郎役)
「こういったワイルドな男の役は久しぶりだったので、楽しく演じさせていただきました。殺陣も多かったので、自分なりにクランクインの2、3ヶ月前から練習して撮影に臨みました。現場は非常に寒かったのですが、スタッフもキャストも一丸となって作品づくりに熱く取り組めたと思います。大人が真面目に取り組んだ遊び心満載の作品に仕上がっていますので、大勢の人に見てほしいですね」
長谷川京子(舞役)
「撮影については、寒くて辛かった記憶しかなかったのですが、出来上がった映画を見た時に『あの時、頑張ってよかったなぁ』と心から思いました。堤監督から『阿部さんと同じくらい、低い声を出してほしい』と言われ、お腹の底から出して頑張ったのに、完成したものを見たら声が加工されていて、意味ないじゃん(笑)と。でも、結果よければそれでよし、ですよね」
竹内力(破顔坊役)
「アクション物で飯を食ってきた意地で、破顔坊役を演じさせていただきました。自分も見ましたが大変面白い作品になっていて感動しております。自分の知り合いにもチケット配って、是非見てくれと営業活動中。皆様も大ヒットするように協力よろしくお願いします」
黒木メイサ(謎の美剣士・牡丹役)
「やっとこの作品を皆さんに届けられることが嬉しいです。子供から大人までいろんな人に見ていただきたい作品ですね。謎の多い役どころでしたが、衣装やかつらが『違和感ない』と周囲に言われて少し複雑な気分でした(笑)」