それでは、現代中国を代表するビジネス界の成功者たちからみたエンジェルの果たすべき役割とはいかなるものであろうか。以下、今回選出されたエンジェルたちの言葉をひろってみよう。

劉暁松氏「エンジェル投資を行う場合、使命感がなければならない。自分の経験を活用しながら、創業者の思想、意識を育て、彼らの成長をサポートすることが大切だ」

雷軍氏「自分が創業する際に、多くの人々から支援を受けた。この時期に社会に恩を返すことができればと思っている」

銭永強氏「多くのエンジェルは自ら創業経験を持つため、創業の厳しさと苦しさを理解している。また、彼らは豊富な人脈資源と産業発展に対する独特の見識を持っている。エンジェルは創業初期のプロジェクトに対し、資金だけでなく管理経験や人脈資源での支援も提供できる。これは時として資金投入より遥かに重要だ」

鄧鋒氏「エンジェルは投資収益より、創業者との交流、経験の共有を重視している。信用体系と投資環境が未だ成熟していない現段階だけに、エンジェルが精力を注ぎ、創業初期の企業を助けることは極めて重要だ」

周鴻(※1)氏「エンジェルは創業者をもっと儲けさせるべきだ。エンジェルは収益を得られる以外に、名誉や達成感という見返りを手にすることができる」

中国IT産業界を代表するメディアの声も聞いてみよう。

新浪副総裁で編集長の陳(※2)氏「中国の民間には大量の遊休資本がある。もし、そのうちの一部でもエンジェル投資にまわされれば、中国の経済発展、特にニューエコノミーの発展にとって、大きなメリットがあるはずだ」

『中国企業家』編集長の牛文文氏「エンジェルは創業者の夢と現実をつなげる存在。成功した企業家が社会的責任を果たす上では最高の方式だと思う」