両社の一元的なサポート体制では、デルは、日本オラクルのOracle Premier Supportと同等レベルのサポートを実現させていく意向で、24時間/365日の障害、技術問い合わせ受付、新規のパッチ、セキュリティアラート、既存のパッチ、アップグレード用スクリプト、バージョン・アップ製品--などを提供する。さらに、デルのソリューション・サービス・デリバリーでの、すべてのオラクル担当コンサルタントは、オラクル社認定資格の最上級である、「ORACLE MASTER Platinum」取得を目指すという。

また、日本オラクルが2006年に設立した「Oracle GRID Center」を拠点に、両社のエンジニアが共同検証を実施、その成果としての技術資料を作成、公開していくほか、データベースサーバーとアプリケーションサーバーの連携、可用性、拡張性、運用監視やバックアップなど、x86ベースの「Oracle GRID」環境にについての事例を蓄積、紹介する。

両社はこれらの施策を踏まえ、ビジネス・パートナーを開拓、ビジネス・パートナーと共同での市場開拓、各種マーケティング活動を行い、x86サーバベースのオラクルシステムを業界標準インフラとして推進していく方針だ。

日本オラクルの保科実 取締役システム事業担当 常務執行役員 グローバルアライアンス戦略本部長は「デルが直販もデルで築いた販売チャネルと、日本オラクルのテレマーケティングやインターネットによる営業体制を連携させ、これまでエンタープライズ市場で培ってきた技術をより使いやすくして、中堅・中小市場にも積極的に展開していきたい」と話す。

デルの町田栄作 アドバンスト・システムズ・グループ 本部長 兼 米Dellコーポレートディレクターは「いま、市場では、レガシーの大型汎用機や、独自技術のRISCは、PCサーバーへと動いている。コモディティ(日用品的な製品)をエンタープライズ分野でうまく使っていくことがポイントになっている」と述べた。

保科実氏
日本オラクル 取締役システム事業担当 常務執行役員 グローバルアライアンス戦略本部長

町田栄作氏
デル アドバンスト・システムズ・グループ 本部長 兼 米デルコーポレートディレクター

両社によれば、米Oracleのデータセンターでは、1万台のデルのサーバが稼動、米Dellでは、基幹となる受注管理システムで、「Oracle Real Application Clusters 10g」を利用、1時間に25万のトランザクション処理をしており「実ビジネスのうえで、両社は補完関係にあり、実績がある。これがこのアライアンスの強み」(町田氏)としている。さらに販売面でも「デルは、グローバルでオラクルのNO1リセラーであり、国内大手リセラーをしのぐほどの実績がある」(保科氏)との背景もある。

両者はすでに1997年から提携関係を樹立、2003年には、世界規模でリセラー契約も締結、国内でも、営業での協力関係を結んでいるが、今回、さらに踏み込んだ協業態勢を構築する。日本オラクルは、特に中堅/中小市場向け事業の拡大に期待しており、デルは、直販モデルの強化とともに、Linuxとx86サーバーの組み合わせで、大手に実績のあるオラクルの1次窓口となって、統合的なサービスを展開していくことに大きな利点がある。