米Frost & Sullivanは、アジア太平洋地域の携帯電話市場を調査した最新レポート「Asia Pacific Mobile Communications Outlook 2007」の発表を行った。エマージング市場において、今後も急速な販売増加が見込まれている。
同レポートによれば、アジア太平洋地域の携帯電話ユーザー数は、昨年末に9億5,000万人に達し、2002~2006年までの年平均成長率(CAGR)は24%を記録した。昨年最大の変化としては、携帯電話ユーザー数で同地域トップの中国に続き、これまで2位だった日本の携帯電話ユーザー数を、インドの携帯電話ユーザー数が昨年6月に初めて上回った点が挙げられる。その後もインドの携帯電話販売は急速に伸び続けており、昨年末時点での携帯電話ユーザー数は1億4,270万人を突破したという。
今年もアジア太平洋地域において、順調に携帯電話販売が伸びると予測されており、今年末の同地域全体の携帯電話ユーザー数は11億4,000万人に達すると見られている。携帯電話機や通話料金の値下げ、インドおよびインドネシアにおけるネットワークインフラの拡大などが、主な成長要因に挙げられた。特にインドは、現在の携帯電話普及率が13%に過ぎないため、今後さらなる市場成長の可能性を秘めているとされる。
同社Industry ManagerのJanice Chong氏は「エマージング市場の他地域に与える影響力が増大し続けている。今年のアジア太平洋地域における携帯電話の新規契約数は約1億9,000万と考えられているものの、その90.8%はエマージング市場における増加で成り立つとの予測が出されている」とコメントした。