米Harris Interactiveは、米国内の子どもたちのTVゲーム利用実態などを調査した最新レポート「Video Gaming: General and Pathological Use」の発表を行った。

同レポートは、米アイオワ州立大学(Iowa State University)のMedia Research Labおよび米NPO法人のNIMF(National Institute on Media and the Family)の協力を得て、今年1月にHarris Interactiveが実施したオンライン調査に基づくとされる。調査対象者は、8~12歳の男女497人と、13~18歳の男女681人となっている。

調査結果によれば、8~18歳の子どもたちの81%が毎月TVゲームをプレイしており、男子学生のみに限るならば、全体の94%がTVゲームユーザーであることが判明した。8~12歳の子どもたちの平均ゲームプレイ時間は毎週13時間、13~18歳の子どもたちは毎週14時間とされている。また、いずれの年齢層でも、男女間のTVゲーム利用時間には大きな差があり、8~12歳の男子の平均ゲームプレイ時間は毎週16時間だったのに対して、女子は毎週10時間。13~18歳の男子では毎週18時間と増加するものの、女子は毎週8時間となり、年齢を重ねるごとに女子のTVゲーム利用は減る傾向にあるようだ。

一方、TVゲーム利用に関して、自分は少し中毒問題を抱えているように感じるとの回答は、8~18歳の子どもたちの23%に上っており、その割合は男子が女子の約2.4倍に達したという。しかしながら、実際に米精神医学会(APA: American Psychological Association)が定める「精神疾患の分類と診断の手引」(DSM-IV)に基づく中毒症状を示していたのは、8~18歳のゲームユーザー全体の8.5%にとどまったとされる。

Media Research LabのDouglas Gentile博士は「ただTVゲームを長時間プレイしているからといって、それ自体がゲーム中毒を意味するわけではないことを認識しておく必要がある」とコメントした。付け加えて「実生活に明確な悪影響が及ぶなら、それは中毒症状であると判断できる」とも語っている。

ゲーム中毒と診断された子どもたちの特徴として、著しく注意力や集中力が欠ける問題を抱えている傾向が強かったという。他の子どもたちよりも、自分の寝室でTVゲームを好きなだけ利用できる環境が整っている場合が多く、平均ゲームプレイ時間は毎週24.5時間。学校での成績は、他の子どもたちと比較して全般的に低いとされている。

なお、TVゲーム利用に関して、あまり家庭で子どもたちに制限を設けていない親も少なくないようで、たとえゲームを長時間プレイしても、特に親に叱られたりしないとの回答者は、13~18歳の子どもたちの6割を超えたという。