すばやく送る「感じのいい」メールこそ、ビジネスパーソンの武器になる! 究極なまでに手を動かさずに、相手の心に響くメールを閃光の速さで送るワザを、「らしさラボ」の伊庭正康氏著『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』から、一部を抜粋してご紹介します。
相手の落ち度を指摘する場合の言い回しについて考えてみましょう。よくやってしまうのが、下記のような言い方です。
「お見積もりはまだでしょうか」
「ご返信がまだのようです」
確かに相手に瑕疵があるのでしょうが、こうした言い方では相手の心証が悪くなり、今後の仕事に支障が生じかねません。このようなことを指摘したいなら、下記のように「自分側にも落ち度があったのかも」「念のため確認させてほしい」といったニュアンスを込めるようにしてください。
「~とおっしゃっていましたが、メールの確認がとれておらず、失礼いたしました。もしお送りいただいているようでしたら、ご容赦ください」
「その後、ご状況はいかがでしょうか」
メールが苦手な人にありがちなのが、相手に気持ちよく仕事をしてもらおうという気遣いのある言い回しが抜け落ちていることです。指摘する際は、アグレッシブに攻撃している感じをなるべく出さず、人間関係が円滑に進むよう努めてください。
「小さなやらかし」を予防する
意外に多いのが“損な表現”を使ってしまい、相手の気分を害してしまうことでしょう。このようなメールも少なくありません。
「日程調整をしましたが、両日とも予定が入っているため変更ができません。申し訳ないですが、来月の候補日を3日ほどください」
日本語としては間違いではないですが、気分を害させてしまいかねないメールであることは間違いありません。この文面を添削すると下記のようになります。
「日程調整の件が難航いたしました。両日とも予定が入っておる状況でございます。大変恐縮ではございますが、来月の候補日を3 日程度、頂戴することは可能でしょうか」
このように、本項で解説した言い回しを使うだけで、柔らかい文面に変えることができます。
コロナ禍以降、対面で会う機会が減っています。メールでの“小さなやらかし”は、リアルの場での“フォロー”ができなくなっているので、相手に不信感を与えるきっかけにもなりかねません。
距離感を縮めたいときには?
仲良くなった担当者や取引先が相手なら、「!」(ビックリマーク)が使えると、人間関係がより親密になることがあります。私も相手を見ながらではありますが、「ありがとうございます!」「精一杯努めさせていただきます!」と意気込みを伝えることがあります。「!」があってもほかの文章が丁寧なら問題はなく、堅さを緩める“スパイス”にもなります。
ただし、相手との距離感をつかむのが苦手な人は気軽に「!」を使わないようにしてください。それが得意な人はもともと人間関係を円滑に進めるための基本が備わっているからこそ、崩しの「!」が効果を発揮する局面を見極められるのです。
『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)
著者:伊庭正康
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