勉強・ビジネス・人生を劇的に変えるノート術として話題になった『本当に頭が良くなる 1分間ノート術』(石井貴士著/SB Creative/1,400円+税/2014年) |
社会人としての第一歩を踏み出した新入社員にとって、入社後まずやるべきは「仕事を覚えること」だ。そのためには先輩から教わったことをきちんと記録しておく必要がある。しかしながら、「書くことが多い」「どのようにメモを取ったら良いかわからない」「見返したが、何が書いてあるかわからない」とノートの取り方に不安を抱えている人は多い。
この連載では、作家の石井貴士さんに基本的なノート選びや使い方、記録術など、「新入社員のためのノート術」を教えてもらう。石井さんは2014年に『本当に頭が良くなる 1分間ノート術』(SB Creative/1,400+税)を上梓した「ノート術」のプロフェッショナルだ。まずは、筆記用具について紹介いただいた。
ノート類
石井さん:ノートについて、私は基本的に「リングノート」と「ルーズリーフ」を用途別に使い分けています。2種類のノートを同時に使用するときのポイントは、横罫の幅をそろえること。切り貼りすることを想定して、行間の幅が同じものを選びましょう。オススメは7ミリメートル幅。ゆとりがあるので、後から見返すときもすっきりします。
■ルーズリーフ→勉強・保存用
ルーズリーフはセミナーの記録や勉強用として使用します。とっておきたい情報はここに記録しましょう。
私が使用しているルーズリーフは「マルマン ルーズリーフ L1100 A4 7mm罫」。ノート類は、数多く出回っていて手に入れやすいもの、どこでも手に入るものを選びましょう。ノートが終わるごとに違う種類のものを使うと、ノートによって使用感が微妙に異なるので、記入していてしっくり来ないのです。だからこそ、定番アイテムを買う。慣れたノートを使うというよりも、そのノートに自分を慣らしていくという感覚です。
■リングノート→持ち歩き用
勉強に関することはルーズリーフ、それ以外のことはリングノートに記録します。リングノートは持ち歩いて、何かが思い浮かんだときにメモをするもの、という位置づけです。リングノートの中の必要な情報や残しておきたいものは切り取って、ルーズリーフに貼り付けて保存します。
持ち歩きを考えると、オススメはA5サイズ。私は「キャンパス ツインリングノート ドット入り罫線 A5 横罫7mm」を使用しています。同じサイズの手帳カバーをセットするのも良いですね。このノートはドットがついた罫線が特徴で、文字の大きさを綺麗にそろえることができます。A5サイズのリングノートなので、A4のルーズリーフに貼るのも簡単ですよ。
筆記具
■青ペン
メモは青ペンで書くことが基本です。重要なことを赤ペンで書く人も多いですが、落ち着きやすい寒色の青ペンを使いましょう。
2色使いをするときは、青ペンと黒ペンを使います。黒ペンは忘れてもいいこと、どうでもいい情報のときに使います。どうでもいいことがあるおかげで、青ペンで書かれた重要な情報が引き立つのです。
■4色ペン
多色を使ってノートを取るときは、最大で4色までに抑えます。それ以上多いと、使い分けで頭がごちゃごちゃしてしまうからです。色は赤・青・黄色・緑、どこでも手に入る色を使うことが重要です。
続いて4色ペンの色分けについてご説明します。ビジネス用であれば、重要度順に分けるのが良いでしょう。「今すぐやらなければならない最重要事項」は赤。「今日中にやらなければならないこと」は緑。「今週中」は黄色、「いつかやるということ」は青という分類をおすすめします。
その他
■付箋
ペン・ノートに次いで重要なのが、付箋。スケジュール管理や資料の整理に使います。ビジネスでは4色ペンと同じように、色ごとに重要度を定めて使用します。最重要は赤、今日中は緑、というスタイルです。
複数の仕事を同時進行している人は、仕事のジャンルごとに色分けする方法も効果的です。私の場合は「本や執筆に関する仕事」は緑、「ビジネス系」は赤、「プライベート」は青、「その他」は黄色としています。
■ファイル
使用したルーズリーフはファイルに挟んで保存します。ファイルもペンやふせんと同じ4色を意識すると、とても管理がしやすくなります。仕事のジャンルで色分けする場合、「執筆」は緑のファイル、「仕事関連」は赤、「プライベート」は青、「その他」は黄色というように分類するのです。そうすることで同じ情報がまとまり、振り返りやすくなります。
ファイルにはクリアポケットを付けておき、関連資料もジャンルごとに分類、ファイリングします。大体1年で1色1冊ずつが目安です。いらないものはガンガン処分して、情報を精査し管理するとよいでしょう。
石井 貴士(いしい たかし)
作家、ココロ・シンデレラ 代表取締役。1973年愛知県出身、慶応義塾大学経済学部卒業。テレビ局のアナウンサーを経て、「ココロ・シンデレラ」を起業。高校2年のときに悟った勉強の必勝法「1秒で目で見て、繰り返し復習すること」と「1単語1秒で記憶するためのノート」をもとに、3カ月で英語の偏差値を30台から70台へ上昇させることに成功。自身のセオリーを元に、2014年には勉強・ビジネス・人生を劇的に変えるノート術『本当に頭が良くなる 1分間ノート術』(SB Creative/1,400円+税)を上梓。他にも『本当に頭がよくなる 1分間勉強法』『本当に頭がよくなる 1分間英語勉強法』(ともに中経出版)などの著作50冊を世に送り出し、累計180万部を突破するベストセラー作家。公式サイト「石井貴士 公式サイト 人生は変えられる」