ロードバイクの選び方をさらに掘り下げると

それでは、フレーム、ブレーキ、付属品の観点から、ロードバイクの選び方を掘り下げてみます。

フレームの選び方

まず、ロードバイクを選ぶときに、かなり価格差があることに気が付くと思います。具体的には、フレーム素材が「クロモリ(鋼製)」「アルミ」「カーボン」かで、価格が変わってきます。

機種にもよりますが、左から右におおよそ安い順に並んでいます。最近の主流はアルミからカーボンに移ってきているので、クロモリを選ぼうとすると高いものしかない場合もあります。

また、左に行くほど重く、また、衝撃に強くなります。耐用年数もいろいろな考え方がありますが、左に行くほど、長いです。筆者のクロモリフレームは35年乗っていますが、いまだにバネが弱ることなく、現役バリバリです。さびなければ半永久的に乗れるという方もいます。一方、アルミやカーボンは5年から10年といわれる方もいます。カーボンは衝撃に弱いので、打ち所が悪いと落車により壊れることもあります。しかし、アルミでも壊れるときは壊れるので、落車しないのが一番です。最初は扱いが楽なアルミから始めるのがおすすめです。多少、雑に使っても耐えられることが多いです。

筆者は飛行機に自転車を載せて旅行にでかける(飛行機輪行)ので、その時は衝撃に強いアルミフレームの自転車を選びます。それでも壊れるときは壊れますけどね。

ブレーキの選び方

ブレーキはリムブレーキとディスクブレーキがあるのですが、安全性の点でディスクブレーキが圧倒的にお勧めです。今、主要なメーカーはリムブレーキからディスクブレーキにシフトを始めているので、将来的な部品のことを考えてもディスクブレーキがお勧めです。

ただ、飛行機輪行や長距離で田舎を走るときは、町の自転車屋さんでも直せるリムブレーキを使うという判断もありです。実際、筆者は遠征用の自転車はリムブレーキを使って、近県のライドにはディスクブレークを使っています。

付属品:ベル、ライト、ペダル、ヘルメットの準備を

ロードバイクには法定装備品の指定がありますので、ベルと前後のライトが必須です。これらを別途買う必要があります。軽めのモノであればなんでもよいと思います。

あと、通常ロードバイクにはペダルがついていないので、別途買う必要があります。ペダルは通常の自転車と同じフラットペダル(フラペ)と、ペダルに靴を固定するビンディングペダルの2種類が選べます。慣れないと、停車時に靴がペダルから外れなくて、転ぶ(通称:立ちごけ)ことがあります。立ちごけは危険なので、最初はフラットペダルが無難です。

筆者はかなり昔に立ちごけをしたことがあり、とても危険な思いをしたのですが、結局ビンディングにしています。走るのが楽になるからです。早くなるというか、坂や高速巡行が楽になる感覚が近いでしょうか。

ビンディングペダルは、いろいろなメーカーが出ていますが、最初はシマノのSPDペダルを選んでおくと良いと思います。壊れないですし、性能もいいです。ちなみに、シマノ製は初期設定で、外れやすい設定になっているように見えますが、もう一段外しやすくできるので、ねじで外しやすくするのをお勧めします。

クリートは入門編の黄色を選んでおけばよいです。シューズは、RCの1から9までありますが、番号が高い9が高いですが、軽くて硬いので、早く走りやすいです。この辺りは予算との兼ね合いで選んでよいでしょう。お店の人や先輩に聞いて買えば良いと思います。

また、努力義務化されているヘルメットは購入すべきです。ヘルメットは安全基準を満たしているSGまたはCPまたはCPSCマークがついているものか、JCF認定を受けているものおよびそれらに類推基準のものが良いと思います。

パンク修理キットは必ず携帯

ロードバイクにパンクはつきものです。パンク修理キットは必ず携帯したほうが良いです。そして、事前にYouTubeを見て直し方をイメージしましょう。

筆者は、パンクしても圧縮空気と接着剤を同時に注入できるボンベを携帯しています。これがあれば、パンクの原因になった異物を取り除いてから20秒でパンクから復旧できます。筆者がパンクしたのは25年以上前のことになりますが、パンクする人は良くパンクしているように思えます。

あくまで個人的な見解になりますが、以下がパンクしにくいコツだと思っています(クリンチャーでの話です)。

  • 適正な空気圧よりやや高めに設定すること(異物をタイヤが弾くため、パンクしにくくなりますが、乗り心地は悪くなりますし、チューブの痛みは早いです)
  • 空気圧チェックは毎回乗る前に必ず行うこと(そのうち指で押すだけでわかるようになります)
  • 比較的パンクに強いと言われるタイヤを使う
  • 3000㎞走ったら交換する(新しいタイヤのほうがパンクにしくいです)

筆者は遠征時は町の自転車屋さんでも治せるクリンチャーのタイヤを履いていますが、近県のライドはチューブレスレディのタイヤにシーラントを流し込んでいます。この方法は小さなパンクは自動で穴を防ぐので、かなり助けられています。ただ、遠征時に大きなパンクになると、大変なことになるので、遠征時はクリンチャーのタイヤでライドするようにしています。

カスタマイズしたい方へ、最初の1歩

カスタマイズはキリがないので、どこまでやりたいかは、その人のこだわりになります。ただ、最初は簡単なカスタマイズで速く走りたいものです。その際に、低予算で速くなるカスタマイズを紹介します。

  • ホイールを軽いものにする
  • タイヤを速いものにする

軽量化するためにカーボン製のパーツを入れたり、ギヤなどのコンポーネントを変えたりするのもありです。筆者は6台を所有し、かなりカスタマイズをしてきました。その経験で、一番コストパフォーマンスがいいのは上記の二つだと思います。

3つ目を挙げるなら、お尻が痛くならない良いサドルを買うというのを上げます。良いサドルはロングライドの際に大きな差になります。お尻が痛くなったら休憩すればいいだけですけどね。

まず、ホイールですが、いいホイールがたくさんありすぎて、迷いますが、コスパがいいのは、なんといってもレーシングゼロ(通称:レーゼロ)です。軽くて頑丈です。最初の1本としてはよい選択の一つだと思います。いまだに遠征用はこれを履いています。

続いて、タイヤです。消耗品のタイヤをカスタマイズとは言わないかもしれません。しかし、タイヤでかなり走りは変わります。高速に走れて、コーナリングもよくて、耐パンク性能が良いものが欲しいと思いますが、コーナリングと耐パンク性能は相反することが多いです。

タイヤといえば、GP5000を挙げる人が多いでしょう。筆者はVittoriaのCORSA PRO一択です。このタイヤは高速で走れて、コーナリングはまあまあで耐パンク性能が高いタイヤです。楽に長距離走りたい人向けですね。2本で3万円くらいしますが、1年走ったとして、月2500円です。そう考えたら安いですよね。

初心者の方が、15万円で最初のロードバイクを手に入れて、そのあと、レーゼロに3万円のタイヤで、追加で15万円というのは、痛いかもしれませんが、全然走りが違いますよ。ただ、最初からカスタマイズは必要ないです。筆者も最初はノーマルの状態で楽しんでいました。もっと早く走りたいと思うようになったら、検討してみる程度でいいと思います。

安全に走るために

最後に、とても重要な安全に走るための方法を紹介します。事故やけがでロードバイク辞めた人を何人も知っています。筆者が実践している交通事故のリスク軽減策は以下です。あくまで個人的な見解なので、自己責任でお読みください。

  • ヘルメット着用(後遺症が残るかどうか、ここにかかっているところが大きいです)
  • 長袖長ジャージ・グローブ着用(転んだ時にありがたみがわかると思います。半袖短パンで、グローブがないと、アスファルトに体を摩ることになります。染みるように痛いです)
  • 前後のライトは昼間でも点滅(自動車との事故で多いのは、自動車が気付かずに突っ込んでくることで起こる事故です。前後のライトを点滅させることでかなりの確率で気が付いてくれるはずです)
  • ハンドサイン(右折左折時など曲がる方向に手を出して後方に注意を促します)
  • 自転車保険(筆者は車の保険のオプションで入れました)
  • 雨の日は乗らない(雨の日にマンホールの上や、側溝のふたなどの金属の上を走ると転びやすいです)
  • 30㎞以上のスピードを出さないこと(自分ルールですが、そもそもブレーキが車と比べると貧弱なので、飛ばしすぎないほうがいいです。30㎞でも十分消費して爽快感が味わえます)特に下りのカーブの外側が小石や砂で滑りやすいので、30㎞以上で下ると、そのままコースアウトしやすいです。

こんな風に書くと、「30㎞巡行なんて軟弱なこと言うなよ」という人もまれにいますが、それなりのテクニックと機材がないと、高速巡行は危険だと考えています。

車の運転でもそうですが、余裕をもって、リスクをヘッジして走るのが一番安全です。筆者も気を付けます。安全に楽しいライドを。